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ファジィ測度の視覚表示システム


ファジィ測度は, 部分集合間の相互作用を表すと解釈され, 主観的評価の解析等に利用されている (→ファジィ測度). しかし, ファジィ測度は 数値で表されており, その数値から 部分集合間の相互作用を読み取ることは 難しい. 室伏研究室では, この相互作用を 直観的に読み取れるようにするため, ファジィ測度を Venn図的に描く 視覚的表示システムを開発している.

下図は そのプロトタイプの出力である. 入力されたファジィ測度は,

μ({1})=1, μ({2})=2, μ({3})=3,
μ({1,2})=4, μ({1,3})=4, μ({2,3})=4,
μ({1,2,3})=8

である.

数値は, それが書かれた領域の面積に対応する. 部分集合のラベルのついた長方形の中の数値の合計が その部分集合のファジィ測度の値になっている. たとえば μ({2})は 長方形{2}の中の数値の和 1+1=2 である. また, 例えば {2,3}のラベルのついた長方形はないが, {2,3}に含まれる部分集合 のラベルを持つ長方形 {2}と{3}の中の数値の和 1+1+2=4が μ({2,3}) となっている.

また, 長方形の位置関係から

μ({1})+μ({2})<μ({1,2}),
μ({1})+μ({3})=μ({1,3}),
μ({2})+μ({3})>μ({2,3}),
μ({1})+μ({2,3})<μ({1,2,3})

が直ちに読みとれる.

論文

宮岡政夫,室伏俊明,菅野道夫:
ファジィ測度の視覚的表示,
第11回ファジィシステムシンポジウム講演論文集 (1995) pp.445-448.

合間寛,室伏俊明:
逐次 2 次計画法を用いたファジィ測度の Venn図表示,
第 3 回曖昧な気持ちに挑むワークショップ講演論文集 (1998) pp. 35-36.


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